
側にいられるだけで④【牡丹の花の咲く頃には】
第15章 王宮という名の伏魔殿
ソンが布団に入ったのを見届けて、キョンシルはその場にうずくまった。身体を丸め、揃えて立てた両脚に顎をのせる。
いかほど経ったのか。今は十月初めで、日中はまだまだ汗ばむほどの陽気になる。しかし、夜更けともなれば、気温は急激に下がり、夜気は冷たく、結構身にこたえる。クシュンと小さなくしゃみをし、キョンシルは急に冷え始めた夜気に身を震わせた。
「―キョンシル」
薄い闇の向こうから、かすかな呼び声が聞こえた。寝たふりをすることもできたが、何もそこまで頑なになる必要もない。
「はい?」
「キョンシルは寝ないのか?」
いかほど経ったのか。今は十月初めで、日中はまだまだ汗ばむほどの陽気になる。しかし、夜更けともなれば、気温は急激に下がり、夜気は冷たく、結構身にこたえる。クシュンと小さなくしゃみをし、キョンシルは急に冷え始めた夜気に身を震わせた。
「―キョンシル」
薄い闇の向こうから、かすかな呼び声が聞こえた。寝たふりをすることもできたが、何もそこまで頑なになる必要もない。
「はい?」
「キョンシルは寝ないのか?」
