
側にいられるだけで④【牡丹の花の咲く頃には】
第15章 王宮という名の伏魔殿
その朝、新たに若き国王俊(ジユン)宗(ジヨン)の妃となった宋キョンシルは、一躍、玉の輿に乗った娘として後宮中どころか宮殿中にその名を知られることになった。
「めでたく国王殿下との初夜をお務めになり、祝着至極にございます」
昨夜の怖いおばさま―臨尚宮(イムサングン)がキョンシル付きの女官たちの総責任者だと聞かされ、キョンシルは危うくお茶を吹くところであった。
「以後は何なりとお申し付け下さいませ」
眉一つ動かさず言われ、キョンシルもつられて丁重に頭を下げた。
「こちらこそ、よろしくお願いします」
刹那、臨尚宮の細い眉がつり上がった。
「めでたく国王殿下との初夜をお務めになり、祝着至極にございます」
昨夜の怖いおばさま―臨尚宮(イムサングン)がキョンシル付きの女官たちの総責任者だと聞かされ、キョンシルは危うくお茶を吹くところであった。
「以後は何なりとお申し付け下さいませ」
眉一つ動かさず言われ、キョンシルもつられて丁重に頭を下げた。
「こちらこそ、よろしくお願いします」
刹那、臨尚宮の細い眉がつり上がった。
