
側にいられるだけで④【牡丹の花の咲く頃には】
第15章 王宮という名の伏魔殿
臨尚宮が気を利かせて眼にも美しい砂糖菓子とお茶を運ばせ、漸く喉を通った有様だった。どうも、臨尚宮は見かけほど意地悪ではないらしく、キョンシルの食が進まないのを随分と心配してくれているようだ。
「ご心配なされますな。女人にとって、やはり初めての夜を迎えた朝というのは、心身ともに常にない疲れを憶えるものにございましょう。淑媛さまはまだお若いのですから、すぐにお疲れも取れます」
真顔で言うものだから、またしても、お茶を吹き出しそうになって、笑いを堪えるのにひと苦労だった。
臨尚宮だけではない、後宮の誰もがキョンシルは既に国王に抱かれたと信じて疑っていない。真実は皆の想像とは全く違うのだが、今、声を大にしてそれを否定することはできない状況である。
「ご心配なされますな。女人にとって、やはり初めての夜を迎えた朝というのは、心身ともに常にない疲れを憶えるものにございましょう。淑媛さまはまだお若いのですから、すぐにお疲れも取れます」
真顔で言うものだから、またしても、お茶を吹き出しそうになって、笑いを堪えるのにひと苦労だった。
臨尚宮だけではない、後宮の誰もがキョンシルは既に国王に抱かれたと信じて疑っていない。真実は皆の想像とは全く違うのだが、今、声を大にしてそれを否定することはできない状況である。
