
側にいられるだけで④【牡丹の花の咲く頃には】
第15章 王宮という名の伏魔殿
キョンシルが何度も吹き出しそうになりながら、やっとお茶を飲み終えたときである。臨尚宮がいつになく控えめに言った。
「これから淑媛さまには、大妃殿に行って頂きます」
「大妃殿?」
キョンシルが小首を傾げるのに、臨尚宮は重々しく頷いて見せた。
「大妃(テービ)さま(マーマ)とは、即ち国王殿下のおん母君でいらっしゃいます。淑媛さまはまだ入宮後日も浅く、宮廷でのしきたりなどをご存じないのは致し方なきこととは思いますが、殊に後宮の人間関係などについては早めに憶えられるのがよろしいかと」
「国王殿下の母君―」
「これから淑媛さまには、大妃殿に行って頂きます」
「大妃殿?」
キョンシルが小首を傾げるのに、臨尚宮は重々しく頷いて見せた。
「大妃(テービ)さま(マーマ)とは、即ち国王殿下のおん母君でいらっしゃいます。淑媛さまはまだ入宮後日も浅く、宮廷でのしきたりなどをご存じないのは致し方なきこととは思いますが、殊に後宮の人間関係などについては早めに憶えられるのがよろしいかと」
「国王殿下の母君―」
