
側にいられるだけで④【牡丹の花の咲く頃には】
第15章 王宮という名の伏魔殿
俊宗の生母は前王が最も寵愛した淑(スク)嬪(ピン)(嬪(ひん)は妃の最高位、王妃に次ぐ)であった。ちなみに、淑嬪は俊宗がまだ世子であった時代に病死している。俊宗は父王の早世により、十一歳で即位した。幼い国王が十五歳になるまでは義理の母である大妃が垂簾の政(まつりごと)を行い、王が十六歳になった二年前から親政が始まる。
この俊宗と大妃の仲が険悪なのは、宮廷に少しでも縁のある者であれば、知らぬ者はないほど有名だ。なお、大妃の妹が前王の弟に嫁ぎ、二人の男の子をあげている。ゆえに、大妃はなさぬ仲の息子である俊宗よりも血を分けた甥であるこの二人の王子たちを溺愛していた。度々、王宮に招き、この王子たちとの時間を過ごしている。
この俊宗と大妃の仲が険悪なのは、宮廷に少しでも縁のある者であれば、知らぬ者はないほど有名だ。なお、大妃の妹が前王の弟に嫁ぎ、二人の男の子をあげている。ゆえに、大妃はなさぬ仲の息子である俊宗よりも血を分けた甥であるこの二人の王子たちを溺愛していた。度々、王宮に招き、この王子たちとの時間を過ごしている。
