
側にいられるだけで④【牡丹の花の咲く頃には】
第15章 王宮という名の伏魔殿
話がここまで来ると、はや、何も言う気にならない。だが、心から忠誠を誓ってくれる臨尚宮を騙しているのかと思うと、キョンシルは後ろめたさと申し訳なさに臨尚宮の顔がまともに見られない。キョンシルは王の妃ではなく、ただの見せかけの、偽の妃なのだから。
結局、それ以上、着替えずに王の許にゆくことになった。臨尚宮と数人の女官を従え、殿舎を出て王が弓を射ているという広場に赴いた。
少し離れた場所まで来た時、臨尚宮がキョンシルの袖を引いた。
「淑媛さま、ご覧下さいませ。あそこに殿下がおわします」
結局、それ以上、着替えずに王の許にゆくことになった。臨尚宮と数人の女官を従え、殿舎を出て王が弓を射ているという広場に赴いた。
少し離れた場所まで来た時、臨尚宮がキョンシルの袖を引いた。
「淑媛さま、ご覧下さいませ。あそこに殿下がおわします」
