
側にいられるだけで④【牡丹の花の咲く頃には】
第16章 第三話 【むせび泣く月】 飛翔する鳥
ゆえに、どれほどソンの話に心動かされたからといって、彼女がソンを愛するようになることはない。同情と愛情は違うのだと、つい先日、はっきりと自覚したばかりのキョンシルだ。
焦がれれば焦がれるほど、月は遠のいていった、と、ソンは語った。つまり、求めれば求めるだけ、愛情は彼から遠のいていったということだ。今また、キョンシルまでもがソンを拒絶すれば、ソンはどれだけ傷つくだろう。かといって、恋い慕ってもいない相手に偽りの愛を示すことはできない。それは一つ間違えば、余計にソンの心の傷を深くすることになりかねない。
キョンシルの指に、ソンがカン(ペリ)ラン(ドツ)石(ト)の指輪を填める。やはり、受け取れないと言おうとして、キョンシルは言葉を飲み込んだ。
焦がれれば焦がれるほど、月は遠のいていった、と、ソンは語った。つまり、求めれば求めるだけ、愛情は彼から遠のいていったということだ。今また、キョンシルまでもがソンを拒絶すれば、ソンはどれだけ傷つくだろう。かといって、恋い慕ってもいない相手に偽りの愛を示すことはできない。それは一つ間違えば、余計にソンの心の傷を深くすることになりかねない。
キョンシルの指に、ソンがカン(ペリ)ラン(ドツ)石(ト)の指輪を填める。やはり、受け取れないと言おうとして、キョンシルは言葉を飲み込んだ。
