側にいられるだけで④【牡丹の花の咲く頃には】
第17章 第四話 【牡丹の花咲く頃には】・戻らぬ男
「あいつもキョンシルも上に何とかがつくくらいお人好しだ。お前らが揃いも揃って嘘を並べ立てる人間だとは思えない。ならば、俺が醜い嫉妬に身を焦がして、あることないことを邪推しているにすぎないのだろう。しかし、そなたが他の男と枕を並べていたというのは紛れもない事実だ、俺はたったそれだけの事実でも受け容れられないんだよ」
キョンシルは虚を突かれた顔でトスを茫然と見つめた。
「ソンと私の間に何もなかったと判っても、それだけでは駄目なの?」
「頭では理解しなければと思っている。だが、心が許さないのだ、どうしても認められないのだ」
キョンシルは虚を突かれた顔でトスを茫然と見つめた。
「ソンと私の間に何もなかったと判っても、それだけでは駄目なの?」
「頭では理解しなければと思っている。だが、心が許さないのだ、どうしても認められないのだ」