側にいられるだけで④【牡丹の花の咲く頃には】
第18章 第四話 【牡丹の花咲く頃には】 祖父の願い
これ以上、何をどうやって説得すれば良いというのか、判らない。要はトス自身の気持ちの問題で、キョンシルもそこまで踏み入ることはできないからだ。
だが、たとえ既成事実がないことを認めているとはいえ、それは結局、キョンシルをトスが信じられないのと同じではないかとも思う。今朝、トスが母と関係があったと断言した時、キョンシルはさほど動揺しなかった。
むろん、嬉しいはずはないし、心が揺れなかったといえば嘘になる。しかし、既に当の母ミヨンはこの世の人ではなく、更に、今のトスの気持ちはキョンシル一人のものだと心から信じられるから、受ける衝撃も予想外に少なかった。
だが、たとえ既成事実がないことを認めているとはいえ、それは結局、キョンシルをトスが信じられないのと同じではないかとも思う。今朝、トスが母と関係があったと断言した時、キョンシルはさほど動揺しなかった。
むろん、嬉しいはずはないし、心が揺れなかったといえば嘘になる。しかし、既に当の母ミヨンはこの世の人ではなく、更に、今のトスの気持ちはキョンシル一人のものだと心から信じられるから、受ける衝撃も予想外に少なかった。