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側にいられるだけで④【牡丹の花の咲く頃には】

第18章 第四話 【牡丹の花咲く頃には】 祖父の願い

 互いの唾液が混じり合い、ひそやかな闇の中に水音が響くのが何とも淫猥だ。
「キョンシル、済まん。もう我慢できそうにない」
 トスがキョンシルを真上から覆い被さるようにして見つめた。キョンシルは長すぎる接吻で瞳を潤ませている。珊瑚色の唇は腫れ上がっていた。自分が今、どれほど扇情的な姿をしているか、キョンシル自身は全く気づいていない。
「トス―おじさん?」
 しかし、キョンシルにはトスの言葉の意味が判らない。
「そなたを俺の物にしても良いか?」
 単刀直入に言われ、流石にキョンシルにも彼の意図が判った。

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