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側にいられるだけで④【牡丹の花の咲く頃には】

第19章 第四話 【牡丹の花咲く頃には】 再会

「キョン―シル」
 かつて張りがあり力強さが漲っていた声は、嗄れて消え入るようだ。キョンシルは眼頭を熱くしながらも、泣いてはならないと自分を戒める。今、祖父の前で泣いたりしようものなら、祖父の心に余計に負担をかけてしまう。
 祖父の手が弱々しく伸ばされ、キョンシルはその手をしっかりと握った。

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