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側にいられるだけで④【牡丹の花の咲く頃には】

第19章 第四話 【牡丹の花咲く頃には】 再会

 どこか皮肉げに聞こえる口調で言い、キョンシルに微笑みかけた。
「さあ、もう帰りなさい。あの男がそなたの帰りを待ちわびていることであろう」
 からかうように言われ、キョンシルは思わず頬を染めた。
「また、きっと近い中にお伺いします」
 立ち上がりかけたその時、イルチェの声が聞こえたような気がした。
「ミンチュには気をつけよ、キョンシル」
 愕いて祖父を見ても、イルチェはもう疲れ果てたように眼を瞑り、横たわっているだけだった。

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