
側にいられるだけで④【牡丹の花の咲く頃には】
第19章 第四話 【牡丹の花咲く頃には】 再会
外側から馬執事が扉を開け、キョンシルは廊下に出た。と、向こうからせかせかとした足取りでやってくる人影が見える。
その人物が間近に迫った時、キョンシルには漸くその風貌が見て取れた。小柄でどこか干からびた猿? を連想させる。まだ六十には達していないだろうのに、早くも頭髪は少なく、額はかなり禿げ上がっていた。少ない頭髪を精一杯無理して髷に結っているのが滑稽だ。
紫色の派手なパジチョゴリを纏い、男の癖に指には太い玉の指輪を幾つも填めている。当人はおしゃれしているつもりであろうが、何とも似合わず、威厳どころか、かえって貧相さを強調しているから皮肉なものだ。
その人物が間近に迫った時、キョンシルには漸くその風貌が見て取れた。小柄でどこか干からびた猿? を連想させる。まだ六十には達していないだろうのに、早くも頭髪は少なく、額はかなり禿げ上がっていた。少ない頭髪を精一杯無理して髷に結っているのが滑稽だ。
紫色の派手なパジチョゴリを纏い、男の癖に指には太い玉の指輪を幾つも填めている。当人はおしゃれしているつもりであろうが、何とも似合わず、威厳どころか、かえって貧相さを強調しているから皮肉なものだ。
