
側にいられるだけで④【牡丹の花の咲く頃には】
第19章 第四話 【牡丹の花咲く頃には】 再会
もちろん、今でも大切に使っている。その箪笥の上の一輪挿しは、どう見ても安物だが、深紅の椿が一輪、活けてあった。恐らくはトスが気を利かせてくれたに違いない。
トスは床に寝転がって眠っていた。多分、キョンシルを待っている中に眠ってしまったのだろう。木の床はさぞかし冷えるに違いない。このままでは朝までには風邪を引いてしまう。
キョンシルは箪笥の側に畳んで置いてある布団を持ってきて、そっとトスの身体にかけた。
と、熟睡しているかに見えたトスがうっすらと眼を開いた。
「ごめんなさい。起こしてしまったかしら」
トスは床に寝転がって眠っていた。多分、キョンシルを待っている中に眠ってしまったのだろう。木の床はさぞかし冷えるに違いない。このままでは朝までには風邪を引いてしまう。
キョンシルは箪笥の側に畳んで置いてある布団を持ってきて、そっとトスの身体にかけた。
と、熟睡しているかに見えたトスがうっすらと眼を開いた。
「ごめんなさい。起こしてしまったかしら」
