
変人を好きになりました
第10章 人魚姫
「古都の言うとおりだよ。たった12この星に人間を押し込めて順位をつけるのは無理がある。でも、本当は占星術はもっと複雑で繊細なものなんだ。その人が生まれた年や月日だけじゃなくて、時間が重要なんだ。生まれた瞬間にどの星がどこの位置にあってその星たちの位置関係で占うものを占星術と言うんだ」
隣りで寝ている空良くんが寝返りをうって私の方に身体を向けた。もともと空良くんのほうを向いていた私と向かい会う形になった私たちはあまりの近さに一瞬顔を強張らせた。
空良くんが照れたように笑いながら私の頬を撫でる。
「そ、そうなんだ。じゃあ、テレビとか雑誌でやってる占いは随分簡易化されたものなんだね」
「うん。本当はね、人にはそれぞれ自分の星を持ってると俺は思ってる。その星だってずっと同じ位置にいるわけでもなければ、ずっと同じ光の輝きを放つわけでもない」
空良くんは窓の方に寝返りをうつと開けっ放しにされたカーテンとピカピカに磨かれた窓から見える一番大きく輝いた星を指さした。もっとも、たくさん星が見えるからどれを指さしているのかは分からなかったけれど、たぶんその星だろうと分かるくらい眩しく輝いていた。
「ここから見えるあの星が綺麗だからって違う星からあの星を見ると随分地味に見えることだってある。人だって一緒。勤勉で真面目で有名な人だって家では怠惰な生活を送ってたりもする。見る人によって見方も変わるよ。その人を見て素晴らしいっていう人もいればダメ人間だって言う人だっている。どっちも正解でどっちも間違いだ。人には星みたいにに二面性どころか何面もの表情があるんだから」
もう私には空良くんが何を言いたいかが分かってしまっていた。
「ありがと」
空良くんの着ているシャツの裾をぎゅうっと握った。
「俺から見た古都は優しくて頑張り屋さんですごく良い子だよ」
私に背を向けたままの空良くんの声は柔らかく私の耳に入ってきた。
「私から見た空良くんは優しい天使みたいな男の子だよ」
そういうと、空良くんが低く笑って身動きしなくなった。
「おやすみなさい」
「おやすみ」
空良くんの隣りで寝るの初めてだけど、すごく安心できる。
隣りにいる温かい存在を感じながら私も目を閉じた。
隣りで寝ている空良くんが寝返りをうって私の方に身体を向けた。もともと空良くんのほうを向いていた私と向かい会う形になった私たちはあまりの近さに一瞬顔を強張らせた。
空良くんが照れたように笑いながら私の頬を撫でる。
「そ、そうなんだ。じゃあ、テレビとか雑誌でやってる占いは随分簡易化されたものなんだね」
「うん。本当はね、人にはそれぞれ自分の星を持ってると俺は思ってる。その星だってずっと同じ位置にいるわけでもなければ、ずっと同じ光の輝きを放つわけでもない」
空良くんは窓の方に寝返りをうつと開けっ放しにされたカーテンとピカピカに磨かれた窓から見える一番大きく輝いた星を指さした。もっとも、たくさん星が見えるからどれを指さしているのかは分からなかったけれど、たぶんその星だろうと分かるくらい眩しく輝いていた。
「ここから見えるあの星が綺麗だからって違う星からあの星を見ると随分地味に見えることだってある。人だって一緒。勤勉で真面目で有名な人だって家では怠惰な生活を送ってたりもする。見る人によって見方も変わるよ。その人を見て素晴らしいっていう人もいればダメ人間だって言う人だっている。どっちも正解でどっちも間違いだ。人には星みたいにに二面性どころか何面もの表情があるんだから」
もう私には空良くんが何を言いたいかが分かってしまっていた。
「ありがと」
空良くんの着ているシャツの裾をぎゅうっと握った。
「俺から見た古都は優しくて頑張り屋さんですごく良い子だよ」
私に背を向けたままの空良くんの声は柔らかく私の耳に入ってきた。
「私から見た空良くんは優しい天使みたいな男の子だよ」
そういうと、空良くんが低く笑って身動きしなくなった。
「おやすみなさい」
「おやすみ」
空良くんの隣りで寝るの初めてだけど、すごく安心できる。
隣りにいる温かい存在を感じながら私も目を閉じた。
