
変人を好きになりました
第12章 スターサファイア
そんなことを思い出していると部屋の扉が開いた。
「用意でき……あれ、まだ着替えてないの?」
正装の空良くんが顔をのぞかせた。今日は黒滝さんの結婚式。
私は鏡の前で空良くんが選んでくれたミントグリーンの肌触りがいいワンピースを自分の胸にあてていた。
「すごい似合うと思ったけど、気に入らないの? それなら、すぐに別のを」
「ううん」
すぐに衣裳部屋へ走って行きそうな空良くんを制するように言うと、空良くんがのそのそと部屋へ入ってきた。
「古都」
「ん?」
「やっぱり行きたくないなら、無理することないよ。一緒に今日は美味しいレストランでも行こうか」
黒滝さんの結婚式に行かせたくない空良くんの気持ちがよく伝わってくる。
「ううん。空良くんに聞いた星の話思い出してぼんやりしてたの」
空良くんは私の言葉なんて聞こえてないように私の頭をぽんぽんと叩くと頭のてっぺんに口付けた。
「古都、着替えたら言って。部屋の外で待ってるから」
「うん」
空良くんが部屋から出ていくとワンピースを着た。本当にシンプルなデザインでウエスト部分が黒いベルトのようなゴムでしまるようになっていて、背中にチャックがついているだけだ。
「着たよ」
「あ、うん」と言い、私の肩を握った空良くんはいつもと違っていた。
どうしたのだろうと首を傾げると空良くんの上着のポケットが盛り上がっているのが見えた。さっきは何も持ってなかったのに。
「古都、話があるんだ」
ただならぬ雰囲気を察して私は身構える。
空良くんの少年のような瞳が今は真剣に私を見据えている。
「これ、プレゼントさせてくれるかな」
ポケットから黒い箱を取り出した。
それはなに?と聞く暇もなく空良くんが箱を開けてくれた。
私は思わず「うわっ」と口にしてしまう。
「これ、つけてほしいんだ」
「用意でき……あれ、まだ着替えてないの?」
正装の空良くんが顔をのぞかせた。今日は黒滝さんの結婚式。
私は鏡の前で空良くんが選んでくれたミントグリーンの肌触りがいいワンピースを自分の胸にあてていた。
「すごい似合うと思ったけど、気に入らないの? それなら、すぐに別のを」
「ううん」
すぐに衣裳部屋へ走って行きそうな空良くんを制するように言うと、空良くんがのそのそと部屋へ入ってきた。
「古都」
「ん?」
「やっぱり行きたくないなら、無理することないよ。一緒に今日は美味しいレストランでも行こうか」
黒滝さんの結婚式に行かせたくない空良くんの気持ちがよく伝わってくる。
「ううん。空良くんに聞いた星の話思い出してぼんやりしてたの」
空良くんは私の言葉なんて聞こえてないように私の頭をぽんぽんと叩くと頭のてっぺんに口付けた。
「古都、着替えたら言って。部屋の外で待ってるから」
「うん」
空良くんが部屋から出ていくとワンピースを着た。本当にシンプルなデザインでウエスト部分が黒いベルトのようなゴムでしまるようになっていて、背中にチャックがついているだけだ。
「着たよ」
「あ、うん」と言い、私の肩を握った空良くんはいつもと違っていた。
どうしたのだろうと首を傾げると空良くんの上着のポケットが盛り上がっているのが見えた。さっきは何も持ってなかったのに。
「古都、話があるんだ」
ただならぬ雰囲気を察して私は身構える。
空良くんの少年のような瞳が今は真剣に私を見据えている。
「これ、プレゼントさせてくれるかな」
ポケットから黒い箱を取り出した。
それはなに?と聞く暇もなく空良くんが箱を開けてくれた。
私は思わず「うわっ」と口にしてしまう。
「これ、つけてほしいんだ」
