夢の虹
第3章 雨の日
船橋さんがあの一件で辞めて以来、さらに忙しくなってしまった。
元々船橋さんは出来る人だったので、そんな人がいなくなってしまい、回らなくなっているのである。
新しい人も入ってこないので、人数も増えることなくぎりぎりだ。
だから、結果的に未だにほぼ毎日バイトをしていた。
「そっか…私は呼び出し喰らってるからなぁ…残念」
「ん?呼び出しって?」
「あぁ、心愛は気にしなくていいから」
なんでもない、という風に小百合は首を振った。
そう言われると気になるけど、こうなると小百合は教えてくれない。
なんだろう…呼び出しって…?