執事様のご奉公〈BL注意〉
第1章 朝の目覚めは
「行かないと、遅れますよ」
そう言われて制服を
後ろから着せられる。
「お、俺だってガキじゃあるまいし、着られるからっ」
「隼人様は動作が遅いんです。
待ってたら遅刻しますから」
後ろから抱きつくような姿勢になり、俺の心臓は限界だ。俺ばっかりドキドキして、奏が平然としているのがちょっと苛つく。
「隼人様?はやくしてください」
「は、はーい・・・」
やっぱり。
緊張してるのは、俺だけだ。
どうやったら、対象として
見て貰えるのだろうか?
…駄目だ。どう頑張って想像しても、彼に対象に見て貰える像が浮かび上がらない。
まず、俺たちは「男同士」という大きな壁が立ちはだかるのだ。
…ああ、神様を本気で
呪いたいと思った。