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身代わりH

第2章 *思い出

「…お兄…ちゃん…」



「…連れは…どうしたんだよ?」



大きく深呼吸して、息を整えたお兄ちゃんの額には、汗が滲んでいて。



もしかして…探して…くれたの?



「…はぐれちゃった…」



「-んっとに、トロいなおまえ
は…」



「…ごめんなさい…」



自分でも情けなくなって視線を落とす、と、お兄ちゃんが絆創膏だらけのあたしの足元を見た。



「…原因は、それか…」



お兄ちゃんは、チッ、と舌打ちして、あたしの足元にすっとしゃがんだ。



「-……?」



そして、



「…つかまってろ」



と、あたしの手をつかんで自分の肩に乗せた。

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