テキストサイズ

身代わりH

第14章 *増していく想い

目を閉じたせいでお兄ちゃんとの距離が実際より近く感じる。




“しかし、その数々の試みの結果、若年層の投票率をあげられたのは、わずか1府1県であ
る。…”




さらにマイクで拡張された声が、ヘッドホンで聞いているかのように頭の中を支配していく。




『ミク、お仕置きだ』




-そう言ういつもの…意地悪で甘い声と同じ声が、この体育館に響き渡っている。




そしていつもあたしの体を熱く狂わせて行く薄い唇が、マイクに声を紡いでいる。




-ゾク-。




いつもの甘い感覚を思い出し、軽い痺れが走った。




…やだ…あたし…ホントにおかしくなってる…-。




…実はここ最近、あたしはお兄ちゃんに触れられていなかった。




この弁論大会の結果が国立大学推薦に大きく関わるとかで…忙しかったんだと思う

ストーリーメニュー

TOPTOPへ