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身代わりH

第15章 *条件

何も言おうとしないあたしを不思議に思ったのか、キィ、と音を立ててお兄ちゃんが振り向いた。




「-…っ」




お兄ちゃんの視線が刺さる。




あたしは恥ずかしくて顔を背けた。




…せっかく…こっち向いてくれたのにっ…。




顔を上げることさえ出来ずにパジャマのフリルをぎゅっと握りしめると、お兄ちゃんが呆れたように息を吐き、キイッと椅子が鳴った。




…待って!




「…あのっ…」





勉強に戻るのかと思ったあたしが咄嗟に顔を上げると…、お兄ちゃんはあたしのすぐ前に立っていた。




「…オレが欲しくなったのか?」



「…!…」

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