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身代わりH

第16章 *…実行

-なに…?




そして呆然としているあたしの腕を強引に掴んで言った。




「来い」




「えっ?」




「いいから、来い」




グイ、と無理矢理引っ張られ、あたしは階段から引きずり下ろされた。




お兄ちゃんはあたしの腕を掴んだまま、1階の廊下を突き進んで行く。




「どっ…どうしたの?」




掴まれた力の強さに痛みを覚えながら、表情の読めない横顔に尋ねてみるけど、返事はなかった。




…怒ってる…よね?




人前では絶対関わりを持とうとしないお兄ちゃんがこんなことするなんて…。

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