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身代わりH

第3章 *家に帰ると・・・

聞こえるのは、ページをめくる微かな音と…隣の部屋の会話。



“…美紅”


“…なぁに?”


“…好きだ”


“あたしも…”



壁の向こうで、ギシ、とベッドが軋む音がした。



-ズキン、ズキン…



-こんなの、いつものことだ…そう思っても、胸が苦しくてはち切れそうになる。



目は雑誌の特集ページを捉えていたけど、隣の気配が頭の中を支配していて、全く内容はわからなかった。



“…んっ…!”



彼女の漏らした声が耳に入ってきて、ついに耐え切れなくなったあたしはベッドに入って布団をかぶった。



-きっと、今日も…これから地獄の時間が始まる。

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