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身代わりH

第17章 *男子更衣室

余りにもあっさりと離れていった温もりが淋しくて、あたしは名残惜しい気持ちでジャージに手をかけた。




とくん、とくん…。




ストン、とジャージが足元に落ち、スカートの下をすぅっと空気が通り抜ける。




…ホントに…帰っちゃうの…?



…自分から拒否っといて…バカだと思う。



けど…まさかお兄ちゃんがここで引くなんて思わなくて。




あたしは借りたズボンを無言で折り畳んで振り向くと、お兄ちゃんに手渡した。
受け取ったお兄ちゃんは何を思ったのかジャージを広げると何かを確認するようにチラリと見た。




そして顔を上げると…、




「…本当にやめていいのか?」



と聞いてきた。




「-…っ!」



…見透かされてる…っ?

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