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身代わりH

第21章 *消えない温もり

絶対に叶わない想いだってわかってて…でも諦められなくて焦がれて。




そしたらお兄ちゃんがあたしを必要としてくれた。




女にしてくれた。




彼女にはなれなかったし、妹を抱くなんて、普通に考えたら間違ってる。




だけどあたしは、幸せだった。




ほんの一瞬だったけど、お兄ちゃんに必要とされて、嬉しかった。




-だから…その幸せを糧に生きていこうって、自分に言い聞かせたりもした。




…でも…でも、無理だよ、お兄ちゃん。




一度聞いた言葉は…、一度触れた温もりは…2度と消えてはくれない。




…こんなに…こんなに辛いなんて…。

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