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身代わりH

第21章 *消えない温もり

あたしの足元の古い床が鳴った。




「-……」




その音で気付いた彼女が視線だけをこちらに向ける。




-ドクン!



…や…。




すぐにでもここから逃げ出したいのに、あたしの足は鉛のように固まっていて動かない。




すぐに気付いたお兄ちゃんが顔を離し、こちらを振り返った。




「………」




お兄ちゃんは無感情な冷たい目であたしを見つめていた。




「…なにか用か」



「…っ……」




抑揚のない低い声。

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