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身代わりH

第21章 *消えない温もり

異様な雰囲気を感じ取った何人かの生徒があたしを凝視していたのを感じたけど、構わなかった。




-タッタッタッ…。




-あんなとこ見たくなかった…。




あんな…あんな…お兄ちゃんの手が…あたし以外の人を…っ!




「…う…っく、ひ……っく…」




キス…してた。




きっと…今もしてる。




これからもっと…あの人に触れる…。




「…ぃ…ゃだよ…っ…!」




走り疲れてフラフラと歩きながら、あたしはボロボロに泣いていた。




…もぉいや…もういやだ…こんな思いを抱えたまま…毎日普通な顔して生きてかなきゃいけないなんて…。




-ガクン!

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