テキストサイズ

身代わりH

第4章 *お仕置き

直後に生温い液体が胸に飛び散ったのを感じ、あたしは驚きでビクッと跳ねた。




「…はぁ、はぁ…っ…」



白っぽい、ねっとりとしたもの…




嗅いだことのない生臭い匂いが鼻をつき、どうしたらいいかわからずに荒い息を吐く。




ギシッ…。




お兄ちゃんは無言で起き上がり、ぞんざいに後始末を終えると、服を身につけ始めた。




衣擦れの音…、ベルトをしめる金属音。




突然静かになった不自然な部屋の中にそれだけが響いているのを、あたしはぼんやりと聞いていた。




たった今まで触れ合っていた肌が今は遠くにある。




-もう、行っちゃうの?




Yシャツを羽織った背中に、そう訊ねたかった。




するとその背中が振り向いて、




「…このこと誰かに言ったら…、わかってるな」




それだけ言い残すと、ドアの向こうに消えて行った。




-パタン。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ