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身代わりH

第6章 *滴る水

何度も体を重ねるうちに自然と出るようになってしまったお兄ちゃんの名前。




-理性がない証拠。




「なに?そんな顔して…」




お兄ちゃんは少しだけ上擦った声で、鏡越しではなく後ろから首を伸ばして嬉しそうに問い掛けてくる。




「…ぁっ…、ぁのっ」




あたしも肩をびくつかせながらお兄ちゃんを振り返った。




-この顔が好き。




今、意地悪だけど優しいこの瞳はあたしだけに向けられてるから。




いつまでもこの視線に縛られていたいから、お兄ちゃんの…タクマの望むような淫乱な女になる。




あたしは恥ずかしさを堪え、涙目で懇願した。




「…も…っ…だめ…なの…っ…ぁぁっ!」




より深い部分を指で突かれ、立っているのもやっとのあたしは縋るような目付きでお兄ちゃんの腕に自分の腕を絡ませた。




「…お願いっ…タクマ…ッ」




「-…仕方ないな…声、出すなよ?」

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