テキストサイズ

身代わりH

第2章 *思い出

何も出来なくて泣いてばかりだったあたしを、お兄ちゃんはいつもかばってくれて。



…そんなお兄ちゃんが、あたしも大好きだった。



だけど-…あたしが小学4年にあがった頃から、あまり話してくれなくなった。



でもお兄ちゃんがいる友達の話を聞くと、それが普通みたいだったし、何よりようやく出来た友達と遊ぶのが楽しくて、あまり気にならなかった。



-今思うと、お兄ちゃんはその頃からあたしのことが嫌いだったのかもしれない。



だけどそれを知らないあたしは、シカトされても構わずにお兄ちゃんに甘えたりしていた。



そうしてあたしが小学校6年の2月。



バレンタインを間近に控えて、幼いながらも男子も女子も浮足立っていた頃、あるクラスメイトが言った。



「雅ちゃんのお兄ちゃんてカッコイイよね!」

ストーリーメニュー

TOPTOPへ