Game=?
第2章 土曜日
「な…なんだ…と…?!」
「…あれ…?」
――生きている…?!俺は死んだはずじゃ…!!
「何故…何故だ…!何故だ…!!!何故だぁあぁああぁあ!!!!!!!!!」
Sは狂ったように叫び、職員室にある書類やコピー機などを手当たり次第に破壊していった。
どうやらSは、スイッチによって基樹を拘束していたようで、
破壊し始めた時に偶然コントローラーが落ち、その反動でスイッチが押されたらしかった。
現に、基樹は今何の不充分無く動き回れる。
…流石に本当にウロウロ動き回ったりはしないが。
それこそ変人だ。
――まさか…!!
基樹は微かな希望の光を求めているかのように、来ていた服を脱ぎ捨てた。
基樹の服の下に隠れていたのは、
防弾チョッキだった。
「そういえば…着たな。」
基樹は素っ気なく言った。
どうやら、基樹は過ぎたことは気にしない性格のようだ。
そして、先程脱ぎ捨てた服を拾い上げ、
脱ぎ捨てた服が有った場所に防弾チョッキを脱ぎ捨てた。
そして基樹は、漫画の格闘シーンで良くある“骨ポキポキ”のポーズをとり、
狂って何も聞かない、いや聞こえないであろうSに聞こえるように、盛大に鳴らし始めた。
それはもう、ポキポキどころか“ボキンボキン”といったところだ。
軽く10本は折れているんじゃないか、と思う程。
「ひゃっ…」
それまでの狂った言動が嘘のように、Sは怯え出した。