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第2章 土曜日




「…ゲホッ…お…前もこれで、終わりだ…ゲホッ…」



油断してしまった。

――あそこで殺しておけば…!!


いや…でも、Sはああ見えてしぶとい。


仮に殺そうと企み、念入り、かつ巧妙な手口で奴に襲い掛かったとしても…




奴の生命力は異常だ。



90%、立ち上がる。



…激しい後悔の念が基樹の脳を支配する。


Sが喋ったほんの少しの時間で、基樹は一瞬で色々な考えが脳を駆け巡った。





「…ぅっ…げほぁあぉぉあ!!!!」


突然、Sは胃の内容物と考えられるものと共に大量な血を吐き出しながら崩れていった。



まだ息はあるのか…Sは蚊の鳴くようなか細い声で、呟いた。













――私の上の黒幕は存在する――




と。



このゲームの“副社長”の跡継ぎに成るためだけに産まれ、愛されることも無く地獄のような人生を送ったSの、悲痛な最期だった。


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