仮面な人たちの恋愛夢小説
第2章 仕事と愛と君と、(W)
『両親所在不明って、何で!?』
『私が中学生になってから施設の人に聞いた話しだと、仕事の都合上子育ては出来ないと赤ん坊だった私の横に手紙を残していたそうです。それきいた時、私何て言ったと思いますか…??』
『んー…何て言ったの??』
『実は何も言ってないんです…っと言うか言えなかったんです。ただその時は、笑って誤魔化すことしか‥』
「そう‥だったのか」
そう言って翔太郎はハットで何も言えない、と言うかのように顔を隠す。
照井は眉間に皺を寄せた具合に、何か考えるような顔をしていた。
また亜樹子も皆と心境は同じだった。
「水無月‥戻るぞ」
『あ‥はい』
「またな、照井」
「ああ、」
重い空気の中、二人は署へと戻って行った。
『何か‥気まずいね…』
「だな…フィリップも言いづらくなるわけだ‥」
「はぁ…」
事務所ではそんな会話が交わされる中、署に戻った照井と愛羅は…──