テキストサイズ

仮面な人たちの恋愛夢小説

第20章 赤い殺戮・赤い記憶(鎧)

「すまない」

彼女の髪を撫でる貴虎は傷ついた彼女を労るようにそう呟く。彼女は首を横に振って貴虎を見上げる。

『主任は悪くありません。元はと言えば私が…っ』

彼女がそういいかけたとき、貴虎の唇が彼女の言葉を塞いだ。

「もう二度とそんなことは口にするな。俺は君を失いたくない」

貴虎の瞳が彼女の震えた瞳を見詰める。彼女はそんな貴虎に、兄の面影を感じていた。

『兄さん‥っ』

そう呟く彼女を見た貴虎は少し驚いた顔をする。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ