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仮面な人たちの恋愛夢小説

第21章 愛する人へ(D)

それから彼女は、彼といる時間を更に大切に思うようになった。彼も彼女との時間を増やし、出来るだけ彼女といる時間を増やした。

彼女はある日、手紙を書くことにした。その手紙は彼がいないとき、ひっそりと書き綴られていた。

「最近嬉しそうだけど、何かいいことでもあったのかい」

『ええ。大樹さんといる時間が増えたから嬉しいの』

彼女の言葉に少々照れた様子の彼。
彼女が出した言葉の意味は、彼自身を忘れてしまうまでに書いた手紙にあったことを、彼は最後まで知ることはなかった──

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