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仮面な人たちの恋愛夢小説

第21章 愛する人へ(D)

次の日のこと。
彼は彼女があの時言っていた言葉が気になっていた。

“大樹さんといる時間が増えたから嬉しいの”

彼女のその言葉に感じたことのない不安や恐怖を抱きながら、彼はいつもより早く彼女のもとを訪れた。
家の中は妙な静けさを漂わせ、彼の不安を煽る。
彼女がいる部屋の扉を開いたその途端、彼の腹の底から喉まで出しかけた言葉はその場で書き消されてしまった。

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