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仮面な人たちの恋愛夢小説

第7章 約束のドラゴン(W)

「君のドラゴンが俺のドラゴンに会いたい理由は?」

『‥‥分からない。だからお前に会えば何か分かると思った…ッ』

「おい…!?」

突然胸を押さえて苦しむ白装束の少女。
晴人は少女に歩み寄り、背中をさする。

『シルバーが…ッ…暴れてるッ』

「俺のドラゴンのせいなのか…?」

『恐らく…ッ』

少しすると落ち着きを取り戻す白装束の少女。
激しく息を切らしている白装束の少女を見て、晴人は悩む。

「俺のドラゴンも、何か言いたそうにしている…でも今は分からない‥」

『ならばドラゴン達が逢うまで私はこの世界にいる。私がいれば、お前も何か分かるだろう…』

「それは分かったけどさ…フード外さないか?」

『あまり人に顔を知られたくないのだが‥』

「そっか…じゃあ仕方ないな。名前は?」

『‥‥桃魅…だ』

「じゃあ、もも‥でいいな?」

『‥‥好きにするといい』

洋館から出ると、二人は森の中を歩いた。
途中、出口付近で桃魅が立ち止まる。

『私はこれから用事がある。何かあればこれを使って呼ぶといい』

「これは…?」

『呼び道具とだけ言っておこう』

彼女から渡されたのは雫型のエメラルドの宝石の中に埋め込まれた鈴のネックレスだった。
晴人はそれを首につけ指で弾くと、美しく鈴が鳴った。

「成る程」

『それでいい‥』

《テレポート》

前開きの白いローブから腰に巻いた白い魔法使いが使うベルトが見え、彼女は指に着けた指輪を翳すとその場から姿を消した。

「よし、帰るか」

晴人はまたバイクで面影堂へと帰っていた。

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