仮面な人たちの恋愛夢小説
第8章 愛想兄妹(K)
『手術するって本当ですか?』
『うん。あの人のお陰でね』
「でも良かった。これで目が見えるようになるんだ、きっとお空の兄さんも喜ぶだろう」
『はい。何より、ひよりちゃん達の顔が見られるのが嬉しいです』
彼女の口元が優しく笑みを浮かべると、ひよりと天道も嬉しそうに彼女を見た。
ふと天道が口にする。
「でもどうして彼奴はそこまで君に…?」
『お兄ちゃんが出来なかったことを、代わりにやって下さってるんだと思います。想さんも言ってましたから』
『お兄さんの代わり?』
『彼は、お兄ちゃんの相棒で大切な人だったんです。お兄ちゃんがなくなってからずっと私を探していたと聞きました』
彼女の言葉に天道が頷いた。
「彼奴は、お嬢ちゃんをお兄さんと重ねているんだ。血は繋がらないが特別な兄弟だったからな‥」
『兄弟…』
彼女が呟く。
それから天道はひよりと共に病室を後にし、一人になった彼女はまた静かに眠りについた。
それから二日後、手術の日。
予定通り手術を受け、長い時間はかかったが無事成功した。
それから四日後、目に巻かれた包帯を取る日。
医者が声をかけ、頷く彼女。
それを合図に包帯が外され、ゆっくりと目を開いたその夜──
「‥寝ているのか」
何日かぶりに病室へとやってきた矢車。
彼女の横に行った矢車は、彼女の寝顔を見つめた。
『うん。あの人のお陰でね』
「でも良かった。これで目が見えるようになるんだ、きっとお空の兄さんも喜ぶだろう」
『はい。何より、ひよりちゃん達の顔が見られるのが嬉しいです』
彼女の口元が優しく笑みを浮かべると、ひよりと天道も嬉しそうに彼女を見た。
ふと天道が口にする。
「でもどうして彼奴はそこまで君に…?」
『お兄ちゃんが出来なかったことを、代わりにやって下さってるんだと思います。想さんも言ってましたから』
『お兄さんの代わり?』
『彼は、お兄ちゃんの相棒で大切な人だったんです。お兄ちゃんがなくなってからずっと私を探していたと聞きました』
彼女の言葉に天道が頷いた。
「彼奴は、お嬢ちゃんをお兄さんと重ねているんだ。血は繋がらないが特別な兄弟だったからな‥」
『兄弟…』
彼女が呟く。
それから天道はひよりと共に病室を後にし、一人になった彼女はまた静かに眠りについた。
それから二日後、手術の日。
予定通り手術を受け、長い時間はかかったが無事成功した。
それから四日後、目に巻かれた包帯を取る日。
医者が声をかけ、頷く彼女。
それを合図に包帯が外され、ゆっくりと目を開いたその夜──
「‥寝ているのか」
何日かぶりに病室へとやってきた矢車。
彼女の横に行った矢車は、彼女の寝顔を見つめた。