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夜会で踊りましょ!!

第12章 ショーを並んで

 翼女は、今の状況を整理できずに足を進める。


(私…柾季くんに引っ張られてる…)


 柾季は翼女の二の腕を持っている。


(あ!柾季くんに触った!)

 人混みを抜けているうち、翼女の何も持っていない掌が柾季の腕や体にあたる。


(このシーン…いい…猫の子の…感じってこんな感じ…かな…ふふ)
 翼女は、腐的な笑みを浮かべている。




(さっきから、黙ったままだな…)
 人混みの中をすり抜けなから、柾季はチラチラ翼女の表情を見ている。

(やっぱり、腕引っ張るのまずかったかな…)

 つかんだ手に意識が行く。

(やっぱ、普通に手の方がよかったかな?)
 柾季は自分の行動を訂正した姿を想像する。


  「いい所あるから、行こう」
  かっこよくデフォルメ柾季が翼女の手を繋ごうとする。

  「いや!」
  翼女は、柾季の手を叩いて走っていく。

  「あぁぁぁまって!!つばめちゃ~ん…」
  デフォルメ柾季号泣。


(『いや』って言われたら、泣くよ!マジ泣き…)

 足を動かしながら、自分の撃沈する想像をして、涙ぐむ柾季。

(と、とりあえず、あそこまで行って…謝ろう…)

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