テキストサイズ

夜会で踊りましょ!!

第12章 ショーを並んで

「どうしたの?」
 柾季が翼女がショーと違う方を向いているのを不思議に思って声をかける。

「ま、柾季くん…」
 翼女が自分の足元を指さす。


「この子…迷子?」
 マサキもを乗り出して、子供を確認する。

 子供は、二人の顔を何度も見て違うという顔をして大きな瞳から、涙があふれてきた。


「…ぃ…ぅ…ぅぅうわああああああぁぁ」
 子供が声にならない声で泣き始める。


「あー泣かないで!」
 慌てる翼女。


 周りの人が「どうしたの?」と集まってくる。

「迷子みたいです。彼女の服が親の服に似ていたみたいで!」
 柾季がこの状況を周りの人に説明している。


「迷子センターに連れて行こうか?」
 女性のグループが声をかけてきた。

「おばちゃん達とママ探しいく?」
 その中の一人が座って子供に話しかける。 


「………」
 子供は頭を振って翼女のスカートをギュっと握っていた。

「あら、あら、フラれちゃった…」
 女性は困った顔をしている。

「じゃ、彼氏くん。彼女と疑似夫婦しながら、迷子センターに連れて行ってあげて」
 女性はニコニコ笑いながら言う。

「あ、はい。お兄ちゃん達がママ探してあげるよ」
 柾季が翼女のスカートを離そうとしない子供に合わせて。しゃがむ。

「ぐすっひっく…ママを探してくれる?」
 子供柾季をジッと見て言う。


「もちろん!だから、お兄ちゃんと一緒に来てくれる?」
 柾季が手のひらを見せながら、笑う。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ