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夜会で踊りましょ!!

第12章 ショーを並んで

「知らない人に、ついて言っちゃダメってママが……わああぁぁ」
 せっかく泣き止んだ子供は母親を思い出したのか、また泣き出す。

「あぁ!大丈夫!大丈夫だよ、このお姉さんも一緒に来るから…ね!」
 柾季は翼女に同意を求める。

「あ!うん。お姉ちゃんも行くよ!」
 翼女も子供の前に座って笑う。


「お姉ちゃんも来るの?」

「うん」
 目一杯の笑顔で答える翼女。

「分かった…」
 女の子は私のスカートから手を離した。


「ねー。お名前教えてくれるかな?私は、つばめよ」
 
「ぼくは、まさき!」

 二人は笑顔で顔を寄せる。


「みほ…」
 その笑顔をみて、子供は小さくつぶやく。

「みほちゃんかーよろしくね」

「みほちゃんはお母さんと来たの?」

「うん…」

「お母さんのスカート、お姉ちゃんのスカートと同じ感じ?」
 柾季は翼女のスカートを触る。


「うん」

「よぉし、とりあえず、ココにはママはいないかな?」
 柾季はヒョイッと抱きかかえる。



 みほは周りを見回して首を振る。


「そっか、じゃ、よっと!」
 柾季はみほを肩車する。


「ママがいたら、教えてね」

「う、うん」
 みほは柾季の髪の毛をしっかりつかんで返事をする。


「迷子センターに出発!」
 柾季は元気よく進みだす。

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