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　翼女は、動けない。手が震え始めた。

「翼女ちゃん？」
　心配する歩睦。

「だ、大丈夫…デス…」
　震える手を隠す翼女。

「柾季は、あいつらとは違うよ」
　遥香は翼女の背中を撫ぜる。

（あーどうしよう…柾季君が側にいると思うと、心臓が爆発しそう）

「うん。大丈夫…」
　深呼吸をする翼女。


「歩睦…」
　遥香が歩睦に小声で言う。

「分かってる…」
　歩睦は二人から離れ、柾季を迎えに行く。