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夜会で踊りましょ!!

第12章 ショーを並んで

「そうだったんですか!すみません。ありがとうございます」
 みほを抱いたまま頭を下げる男性。

「ごめんね、ごめんね、一人で怖かったでしょ…」
 旦那さんの腕越しにおいおい泣いている女性がみほの頭をなぜる。

「ママは泣き虫だね」
 男性がみほに話をしている。

「そうだねぇ、みほは泣かなかったよ」
 みほがわらっている。



(泣いてたよー顔に後あるよー)
 翼女と柾季は顔を見合わせて笑っている。



「それじゃ、僕ら、いきますね」
 柾季は親子に声をかける。

「ありがとう、ございました」
 頭を下げる両親。


「バイバイお兄ちゃんお姉ちゃん」
 笑顔で手を振るみほ。

「バイバーイ」
 柾季と翼女も手を振って別れる。



 柾季は腕時計で時間を確認する。

 ショーはもう終わっている時間。

「トラブッたね…」

「そうですね。でも、みほちゃんがお母さんの所に戻れてよかったです」
 翼女がうれしそうな顔で歩いている。


《結婚してるみたい》

 柾季は、みほの言葉を思い出す。


(けっこんかぁ)


「どうかしましたか?」
 翼女が柾季の方を見て聞く。


「あ!いや、僕も親御さんの所に戻れてよかったと思うよ」

「本当だね。それに『泣いてないよ』は可愛かった」
 クスクス思い出し笑いをしている翼女。

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