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夜会で踊りましょ!!

第12章 ショーを並んで

  弧塚駅の改札の前


「今日はありがとうございました」
 翼女が再び頭を下げる。

「ごめんね。家まで送れなくて…」
 柾季も小さく頭を下げる。

「い、いえ!本当にここまでいいです。そ、それより…」
 翼女が言葉を詰まらす。

「それより?」
 柾季が首をかしげる。


「そ、その…また、また一緒に出掛けてください…」
 真っ赤な顔して言う翼女。


「わ!そう…じゃ、タチバナ様で一緒に踊ろう!」
 柾季はその顔を直視できなくて、駅のホームのポスターに顔を向ける。


「え…柾季くんも参加しますか?」

「うん!」
 柾季が笑顔で言う。

「そうですか!柾季くんのの浴衣姿楽しみにしてます」
 笑顔の翼女。


≪内回り線の電車が、間もなく入ります。ご乗車のお客様はご準備ください…繰り返します≫


「じゃ、私帰ります」
 翼女が、改札を抜けてホームへ。 


「気を付けてね♪」
 柾季がニコッと笑いながら手を振る。

「はい、柾季くんも…」
 翼女も小さく手を振る。

「僕は大丈夫だよ!男だもん」
 腰に手を置き自分を大きく見せる柾季。


「…ぁ…そうですね」


≪内回り電車です。停車するまで、お待ちくさい≫


「じゃ、また」
 柾季が手を振る。

「はい…また」
 翼女は停車した電車に乗り込む。 


≪内回り線出発します≫

 翼女は電車の中から手を振る。

 柾季も翼女が見えなくなるまで笑顔で見送っている。

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