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夜会で踊りましょ!!

第13章 翼女、一人思う

「……」
 裏から食洗器で洗ったコーヒーカップを持ってきた。


「慎太郎?」
 佐藤が話しかける。


「……」
 返事をしない慎太郎。


「怒ってる?翼女ちゃんに変なこと言ってないよ」
 顔色を伺うように下から慎太郎を見上げる佐藤。


「仁識…」

「はい」


「…別に、俺は…怒ってない…」
 その中から一個とり、乾いた布巾で吹き始める。


「怒ってる!!ごぉめぇん」
 佐藤は、カウンターに両手をついて謝っている。



「…だから、怒ってない。ちょっと考えていただけ」

「考える?」

「仁識も橘さま?に参加したんだろ…」

「ああ、14才はほぼ全員さんかだからな」
 佐藤はホッとした顔で椅子に座りなおす。

「ふーん」
 俯きながら拭く慎太郎。




(二人はいつも、こんな感じ…)
 翼女は静かに二階の住居に上がっていく。

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