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夜会で踊りましょ!!

第16章 浴衣を着るまで…

「…………こんな感じかな♪どう?」
 爽果が翼女の肩をポンと叩く。


「え!」
 爽果の声で我に変える翼女。


「あれ?寝てた?」
 爽果は翼女のあごをすりすり触る。

「い、いえ☆ちょっと考えごと…」
 翼女は爽果の白くて柔かい手にドキドキしている事と、ボーッとしていた事が混ざってが恥ずかしくなり下を向く。


「コラ!下を向くな。今髪型確認しているんだから!」
 翼女の顎を後ろから掬うように持ち上げる爽果。

「すみません…」
 翼女は意識して頭をあげる。

 鏡越しに見える爽果は真剣な顔で髪の形を見ている。



(整った顔…綺麗……)
 翼女は見惚れていた。

(女子高のみんなのあかがれ先輩!”お姉様”とか似合いそう…)
 翼女の腐女子的側面からの人間観察は、徐々に妄想に入っていく。


 『お姉様!実習でクッキーを焼きました。お茶席にお越しくださいますか?』

 『いいわよ。あなたが焼いたクッキーと入れてくださったお茶を飲みながら、愛を重ねましょ』

 『あん♡お姉様♡』







「こら」
 急に爽果の声で現実に戻ってきた翼女。


「私を見てて、どうするの?自分の変化を見てなさい」
 鏡の中の爽果がメっと言っているような顔をした。


「ぁーすみません…」
 顔を真っ赤にして鏡の中の自分を見る翼女。

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