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夜会で踊りましょ!!

第16章 浴衣を着るまで…

(これが、私?いつもよりずっと大人っぽい…髪形でだいぶ印象違うんだ…)

 アップにしたことによって、首がよく見える。


(うなじ…うなじ萌えとか確かにあるかも…)
 うなじのあたりを触ってちょっとほほ笑む翼女。


「どう?意中の人に見せたいでしょ♪」
 爽果が耳元で囁く。

「意中…って」
 爽果の囁く言葉に驚き、そして、笑顔の柾季の顔が浮かんできた途端、鏡の中翼女がどんどん赤くなる。

「くぅー!こんな反応の子の為ならガンバちゃう♪さっきの男にアピールするには、少し攻めないとね♪」
 爽果は、カバンからなにかリップのような物を出して、首筋に塗りだした。

「あ、あのくすぐったいです」
 肩を窄める翼女。

「おまじない。攻めて、お・と・せ」
 硬くなった肩をもみながら、爽果が耳元でささやく。


「せ、攻めて…おと、せ!?」
 真っ赤になる翼女。

「はい。翼女ちゃんは髪おわり。次は遥香ね。ネイルは終わった?」


「待機してまーす」
 遥香は元気よく手を上げている。

「よろしい。座って♪どんなにしようかな…」
 ウキウキ顔の爽果。


 翼女はそっと首を触る。

 触った指先にラメがついている。

(あ、キラキラ…匂い付きのなにかだなぁ…)

 擦るとほんのり甘い匂いがした。

(攻めるって落とすってどうするのよ??
攻めって…BL的なことしか思い浮かばないよぉー)

 心の翼女が目を回しながら、叫んでいる。

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