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夜会で踊りましょ!!

第2章 翼女のヒミツ



「ふふ、今日は思いっきり描こう!」
 ニコッと笑って、自分の机に座る。

「ふふん」
 机の上に置いてある携帯のストラップから机の鍵を取る。


 その鍵は、つばめの秘密の鍵。

 学習机の鍵のかけれる引き出しをあける。

 引き出しの中にある物はルーズリーフのバインダー。


 このバインダーにはつばめの秘密がたっぷりつまっている。


 開くと目に飛び込んでくるのは、上半身裸の男の子。

モデルは…柾季…。


「はー」
 翼女はその絵を見て、両頬を染める。


「今日は…生浴衣みちゃった…覚えているうちに描かないとぉ」
 翼女は新しい紙を出し、シャーペンをカチカチさせて笑う。


(柾季君のあの目で歩睦君とを…絡み合ったら…ふ…)
 真剣に机に向く背中と対照的に、顔はニンマリ緩んでいる。

「…ぅふふふ…」
 簡単な顔の表情や、身体のラインを描いた構図を眺めながら肩で笑っている。


   もう、気づいてますよね。

 男の子達が、ただ…話しているだけで、絡みあっている妄想が見えるんです。
 私、腐女子通りすぎて、病気です。

 だから、なるべく同性と一緒にいる。男の子と話すと、妄想が現実に摩り替ってしまいそうで、怖い。

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