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夜会で踊りましょ!!

第4章 小学生の翼女(わたし)



  ハァハァハァ…

 小走りに走って校庭に出た。



 校庭から校舎を見上げる。

  びっくりした…

  名前呼ばれて、『また…』って言われた。

  どうして、こんなにドキドキしてるんだろう。



 校門横のバス停に一人立つ翼女。


 私の家は少し離れている。だから、バス通学。

 バス通学って方向も時間もバラバラ…だから、一緒に帰る友達が少ない。同じクラスの子いないし…だから、いつも一人。

 “たから”が多いね…分かってる。私がもっと、遥香ちゃんみたいに笑顔で話せたら、今、ココで話をしながら、待ってくれるトモダチがいるんだろう…

 バス停の前に路線バスが止まる。
 バスの扉が開くと、カードをかざしバスに乗る翼女。

『…小学校前…お降りのお客様は、お忘れ物のない…』


『…次は、…丁目……』
 今日のバスの自動音声がよく聞えない。


  遥香ちゃん…私の事知ってた?

  同じクラスだから、知ってて当然か…

  赤い顔見られて恥ずかしかったな…

『…次は、噴水公園…噴水公園です』

 噴水公園…遥香ちゃんの従姉弟さんが好きな所…


  ピッ
 気が付いた時には、“降ります”のボタンを押していた。

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