夜会で踊りましょ!!
第4章 小学生の翼女(わたし)
ブロロロー
路線バスが去っていく。
金曜日の午後四時を少し過ぎた公園。
「降りちゃった…」
公園にゆっくり入る翼女。
「静かだな…」
一人で歩くと、色々ゆっくりツツジの花が咲いている遊歩道を歩く翼女。
「あ!藤棚、椅子発見!」
翼女は藤棚のベンチに座る。
「良い匂い…藤って良い匂いなんだ…」
目を閉じで、何度も匂いをゆっくり感じる。
鞄の中からスケッチブックを出した。
「遥香ちゃんみたいな男の子…」
目を閉じ想像する翼女。
きっとかっこよく、笑顔の素敵な男の子なんだろうな。
想像して、絵を描く。
私は絵を描くのが好き。特に人を描くのが好き。
似顔絵とか描くと喜ばれるけど、冷やかされる…
(こんな、かんじかなぁ…)
サラサラッと走り書きした男の子。
ガサッ
誰か遊歩道を歩いている。
慌てて男の子の絵を隠す。そして、歩いてくる人を見て、ビックリ。
「ぇ!」
想像したマサキが歩いてくる。